許されていないお墓以外への埋葬ブログ:160822


国際結婚すると告げた俺に
「聞きたくない…」と
パパは予想通りの反応をした。

俺も反発して
別に祝って貰わなくて結構だと言い放った。

パパは野球が好きで地元の少年野球団の監督をしており、
自らも草野球チームのエース。

一方、俺は大の体操嫌い、
パパの期待を踏みにじり、
買って貰ったグローブを、大雨の中外に置き去りにした事もある。

俺とは対象的に、おとうとはスポーツ少年に育った。
俺はパパがおとうとばかり気にかけていると感じ、
大学で一人暮らしを始めるまで、パパの前で素直になれなかった。

大学時代、俺は世界中を放浪して過ごした。
そんな俺をずっと心配してくれたのはお母さんだった。
パパには黙って旅に出ていたが、
お母さんはパパに全て話していたらしい。

その後、俺が商社に内定した時、
パパは俺を行きつけの居酒屋に連れていった。

会話は少なかったが、
常連客から「むすこさんと飲めるなんて幸せだね」と囃されて
パパは嬉しそうにしていた。

徐々に解れた親子の糸は、
俺が大学時代に出会ったニューカレドニアの女性と
結婚すると決めたことで再び縺れてしまった。

お母さんやおとうと、婚約者のためにも
パパとの関係を修復しなければならない。

きのう、俺は実家に出向いて
パパをキャッチボールに誘った。

俺の投げる球は
パパの所まで届くのに精一杯だったが、
パパの球は俺の胸元まで真っ直ぐ飛んできて
その度に手のひらがビリビリと痺れた。

最初にクチを開いたのは父だった。
「お前のやりたいようにやれ。お前より年上の人間なんて先に死んじまうんだから、
周りの理解など求めんでいい」

俺が返事をするより先におとうとが来て
「仲良しじゃん」と嬉しそうに言ってきた。

俺はボールを投げ返しながら
「親子だからな」と言ってみた。